Yes, I'm DHARAVIST.

スラム住民の「故郷の誇り」を可視化するリサーチ・プロジェクト

東京外国語大学・伊勢崎賢治教授と共に、「アジア最大」とされるインド西部都市ムンバイのスラム『ダラビ』に数年間にわたってフィールド調査を行ったプロジェクトです。

ダラビは、アカデミー賞を受賞した映画『スラムドック&ミリオネア』の舞台にもなったスラムで、わずか2.5㎞四方の土地に80万人とも100万人とも言われる人たちが生活しています。もともとインドにおいては、「ヒンズー教とイスラム教」の争いが絶えず、国内のイスラム教徒の割合は2割以下ですが、このスラムにはおよそ半々の割合で居住しています。

このフィールド調査では、そのような地域を長らく支えてきたローカルNGOと協働で、ダラビに暮らす人々が宗教の違いを超えて「共有できること」を探す目的で行われました。その過程で発見されたひとつが、自分たちの故郷(ダラビ)に対して持つ“誇り”。

「シビックプライド(市民の誇り)」を可視化するために、100人以上の住民やコミュニティを撮影し、表面に『Yes, I'm DHARAVIST.』と書かれたポストカードを作成。裏面は、住民の誇りを記入できる用紙になっていて、ローカルNGOがこのツールを使って、一人ひとりにヒヤリングしながら"ダラビの誇り"を集めていきました。

CREDIT

企画調査:アソボット
写真撮影:谷口巧
デザイン:直井忠英