「コミュニティ再生」についての調査研究
「コミュニティ再生」のあるべき姿を定義する
公益財団法人ハイライフ研究所の特任研究員として、災害や紛争、社会調査や評価学など、さまざまな分野のアプローチから「コミュニティ再生」のあるべき姿を追求した研究プロジェクト(2010年度-2013年度)。
コミュニティ再生
コミュニティの「危機」から考える「再生」の方向性
公益財団法人ハイライフ研究所の特任研究員として、「コミュニティ再生」のあるべき姿を追究するべく始めた研究プロジェクトの第一弾(2010-2011)。本研究では、災害や紛争など「再生」とは表裏一体の関係にあるコミュニティの「危機」に着目することで、平常時においてどのようなコミュニティが存在していれば予防可能性が高かったのかを検証しました。災害事例は、阪神・淡路大震災と東日本大震災を、紛争事例としては、ボスニア紛争と南アフリカのアパルトヘイト後を取り上げています。研究成果物として、論文『コミュニティの“危機”から考える「コミュニティ再生」のあるべき姿』を発表しました。
セミナー「非常時(紛争と災害)から考えるコミュニティ再生」
※公益財団法人ハイライフ研究所…「来るべき21世紀に向け、今後志向していくべき新しい生活の方向やその具体的な有り様について、生活者や消費者の視点からの調査・研究すること」を目的に、平成5年に設立された研究所。平成22年には公益認定を受け、研究成果の普及や啓蒙、また活動の支援等を通じた国民生活の向上や発展に向け活動している。
論文『コミュニティの“危機”から考える「コミュニティ再生」のあるべき姿』のPDFはこちら
コミュニティ評価
コミュニティ再生を測る「評価基準」の指標化の試み
公益財団法人ハイライフ研究所の特任研究員として、「コミュニティ再生」のあるべき姿を追究するべく始めた研究プロジェクトの第二弾(2012-2013)。本研究では、『コミュニティ再生の“評価基準”策定研究』のプロジェクトリーダーとして研究チームを組織し、「どのような基準でコミュニティ再生を測りうるのか」という評価学の視点から、コミュニティ再生の指標化を試みる共同研究を行いました。研究対象は、将来的に「コミュニティ再生を測りうる指標化」の可否を検討するために、さまざまな分野ですでに取り組まれている先駆的な評価基準をリサーチ。行政機関や学校分野の評価指標、「復興」や「幸福」など定量化しにくい分野における指標化の事例など、参考になる項目や問題点・改善点の抽出を中心にまとめています。
復興って何だ?
「復興のモノサシ」を考える研究セミナー
「復興って何だ?」は、2012年度より行っている『コミュニティ再生の“評価基準”策定の研究』の成果の一部としてセミナー形式で発表したものです。
大規模な災害が起きた後、私たちは「復興」という言葉を頻繁に使っていますが、実はその言葉の定義をよく分かっていません。何となく「時間が経過する」ことで「復興が進んでいる」かのような錯覚さえ覚えています。
本セミナーでは、そもそも「復旧・復興とは何か?」というシンプルな問いをもとに、「どのような状態に到達すれば復興したことになるのか」という指標(モノサシ)を、2つの災害の調査事例から改めて考えてみました。1つ目は、東日本大震災を二年間かけて定点観測してきた『復旧・復興インデックス』(NIRA)の最新調査から、「データが語る被災3県の現状と課題」を考えました。2つ目は阪神・淡路大震災を事例に、「被災者自身が何を持って復興を実感していったのか」を紐解いた世界的にも稀な『生活復興調査』についてご紹介しています。
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「復興」を考える
動画リンク
「データが語る被災3県の現状と課題」―東日本大震災復旧・復興インデックス―
斉藤徹史(公益財団法人総合研究開発機構 主任研究員)
「被災者による復興のモノサシ」―阪神・淡路大震災 生活復興調査―
立木茂雄(同志社大学社会学部 教授)
幸福って何だ?
「幸せのモノサシ」を考える研究セミナー
「幸福って何だ?」は、2012年度より行っている『コミュニティ再生の“評価基準”策定の研究』の成果の一部としてセミナー形式で発表したものです。
国連『世界幸福度報告書2013』によると、幸福度の上位3ヶ国は、デンマーク・ノルウェー・スイス。経済指標GDPの上位3ヶ国であるアメリカは17位で、中国は93位という結果でした。ちなみに日本は43位で、先進国の中では際だって低い順位。「経済の豊かさだけでは幸せにはなれない」と昨今世間で言われている通りの結果となりましたが、本来はランキングの「結果」自体にそれほどの意味はありません。大事なことは、何がその「基準」となっていたのか、その「モノサシ」を知ることです。
本セミナーでは、「幸福のモノサシ(指標)」について改めて考えてみるために、第1部では、心理学や経済学などさまざまな分野で研究されている『幸福指標』について、続く第2部では、「日々の暮らし(=まち)と幸福の関係」について考えるため、実際の事例をもとに「行政」と「市民」の両視点をご紹介しています。
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「指標」を考える
動画リンク
「幸福」を考える
川内有緒(ノンフィクションライター)
事例1『GAH(荒川区民総幸福度)』
二神恭一(公益財団法人荒川区自治総合研究所 理事・所長)
事例2『トランジション・タウン運動』
山田貴宏(ビオフォルム環境デザイン室 代表/トランジションジャパン 創立メンバー)
アンケート「みなさんの幸福のモノサシって何だ」
https://www.youtube.com/watch?v=g8E8DhORMxM
https://www.youtube.com/watch?v=-z5a9Kha60k
CREDIT
研究助成:公益財団法人ハイライフ研究所
論文執筆:伊藤 剛(アソボット)
リサーチ協力先:東京外国語大学PCS/ピースボート/難民支援協会/奈良市/加古川グリーンシティ防災会/コミュニティ・サポートセンター神戸、ほか