Azadi(難民支援協会)

「与えるから、生みだすへ」をコンセプトにした難民支援プロジェクト

『Azadi』は、日本へ逃れてきた難民の「自立支援」を目的に、モノを与える支援ではなく、自分たちで価値を生み出していくための仕組み作りを目指したプロジェクトです。

本事業は、認定NPO法人難民支援協会からの依頼で立ち上げたもので、支援対象者は、日本では難民認定されにくい「クルド難民」の女性たち。民族の伝統文化である「オヤ」の刺繍技術を活かした商品ブランド『Azadi』を立ち上げ、文化発信と難民問題の啓発活動を同時に行いました。ブランド名の『Azadi』の由来は、クルド語で「平和」「自由」を意味することばです。

日本では、難民申請をしてから結果が出るまでに要する時間は「平均2年」かかると言われています。その間、彼らの多くは就労が認められておらず、国民健康保険が適用されないこともあり、経済的にも健康面でも大変厳しい生活を余儀なくされます。特に女性や母親たちの多くは、宗教的・文化的な背景や言葉の問題から、日本社会との接点が非常に限られており、バスや電車にも1人では乗れない人もいます。

そこで、このプロジェクトでは「与える支援から、生みだす支援へ」をコンセプトに、クルド女性たちを対象にした事業を考案しました。注目したのは、彼女たちが持つ伝統的なレース編みの技術「オヤ(OYA)」です。母親から娘へと代々受け継がれてきた技術を使って、ネックレスやピアス、ストラップやコースターなどオリジナル商品の開発を行いました。実際に商品として販売されることで自信がついたり、技術向上のためのアドバイスを受ける中で日本語力がつき、積極的に交流できるようになった女性たちも増えました。

一方で、商品の販促ルートは「チャリティーイベント」などが主となるため、どうしてもコミュニケーションできる層が限られてしまいます。そこで、認知と販路拡大のため、若者に人気のファッションブランド(『Theater Products』『CA4LA』等)とコラボ商品の開発を実施。一線で活躍するクリエイターとの協働作業を通じて新たな技術習得を目指し、それらのコラボレーション商品が流通してくことで「日本における難民問題」の認知を目指しました。

CREDIT

Azadi(2011年〜2013年)
クライアント:認定NPO法人難民支援協会
企画&クリエイティブディレクション:アソボット
アートディレクション&デザイン:板倉敬子(イッカクイッカ)
コラボ商品開発:Theater Products/CA4LA